ディーゼルエンジン対決!ボルボ V40 D4とVW ゴルフ TDIを比較してみました

V40とゴルフ

長距離ドライブ用として活躍してくれたボルボV40 D4からVWゴルフTDIに乗り換えて半年が経過しました。
同じ2.0Lクリーンディーゼルエンジンを搭載している2台ですが、その性格はかなり違います。
今回はたっぷり走行した経験から2台の走りを比較してみました、

V40D4とゴルフTDI 比較したモデル

今回比較したのは、こちらの2台です。
どちらも今となってはモデル末期ですがそれだけに熟成の域に達しています。

ボルボ V40 D4 Momentum
ボルボV40のエクステリア
直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2.0L
最高出力:190PS
最大トルク:400Nm
JC08モード燃費:20km/L

VW ゴルフ Highline Meister
VWゴルフTDIのエクステリア
直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2.0L
最高出力:150PS
最大トルク:340Nm
WLTCモード燃費:18.9km/L

スペックを比較してみると同じ排気量でもボルボのD4エンジンはかなりハイパワーです。

VWの2.0Lディーゼルエンジンは搭載するモデルによってエンジンの特性を変えてセッティングされています。
ゴルフより大きいパサートに搭載されたエンジンはボルボと同じ190ps/400Nmとなっていました。
ちなみにTDIエンジンは排ガス処理用にアドブルーの補充が必要になります。

V40D4とゴルフTDI ディーゼルエンジンの音量を比較

冷間状態(エンジンが冷えた状態)でエンジンを始動させたときのエンジン音量の比較してみます。

V40D4は車外では盛大にディーゼル特有のガラガラ音が響き渡ります。
車内にいてもガソリンエンジンのT4に比べるとかすかに漏れてくる音量や振動からディーゼルエンジンであることはわかります。
V40D4のエンジン
対してゴルフTDIでエンジンを始動させると、ガラガラ音は聞こえますが明らかにV40D4より抑えられていることがわかります。
そして車内に移るとディーゼルに慣れていない人だと、おそらくディーゼルエンジンであることがわからないレベルの音量と振動でした。
国内で初めてTDIのディーゼルエンジンが投入されたパサートでは、V40D4よりもうるさい印象がありましたので静粛性で改良されているんですね。
VWゴルフTDIのエンジン
ディーゼルエンジンの音や振動を少しても抑えたければゴルフTDIになります。

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V40D4とゴルフTDI ディーゼルエンジンのトルク特性を比較

ボルボV40のサイドビュー
V40D4はアクセル操作に対して良くも悪くもディーゼルエンジンの重々しさを感じられます。
停止状態でアクセルをじわっと踏み込むと急にグッと動き出す印象ですね。
ただ、ごく低回転からでもトルクの厚みをしっかり感じ取ることができて国産車では乏しい強力なトラクションを感じながらの走行となります。
ゴルフTDIのサイドビュー
対してゴルフTDIは軽やかさではガソリンエンジンのTSIと比較すれば劣りますが、動き出しは軽いので重たいディーゼルエンジンを搭載していることを忘れそうです。
そして停止状態でアクセルを踏み込むとスーっと動き出します。
アクセルの踏み込みに対してトルクの乗り方が穏やかで、ガソリンエンジンのようになめらかな走行フィールです。
いい意味でディーゼルエンジンらしくない反応です。マツダのディーゼルエンジンXDもこれに近い印象でした。

V40D4とゴルフTDI ディーゼルエンジンの走行フィールを比較

街乗りの印象

V40の運転シーン
出だしで重々しさを感じるV40D4は、頻繁にストップ&ゴーを強いられる混雑した市街地だとややストレスを感じます。
ラフにアクセルを踏んでしまうとGを感じるほど唐突な加速になってしまうので、デリケートなアクセル操作が要求されます。
まあ、これは慣れの問題ですね。

対してゴルフTDIは、ガソリンエンジンとそん色のないエンジンレスポンス(トルク特性)なので街乗りでもスムーズにこなせます。
扱いに慣れなど必要としませんが、その分ディーゼルエンジンに乗っている印象は希薄です。

郊外や高速道路を走行した印象

VWゴルフの運転シーン
V40D4はステアリング操作を通じて高いボディ剛性を感じられドアの重さといいドイツ車のお株を奪う強靭なボディです。
国産車とは造りが違うということをひしひしと感じられます。
まあ、それはいいとしてV40D4の弱点にノイズが挙げられます。
特に車内に侵入してくるロードノイズはうるさいです。
標準装着タイヤの問題が大きいので、市販の静かなコンフォートタイヤに履き替えることを強くおすすめします。
乗り心地は多少路面の状況に左右されますが、サスペンションが馴染んでくると快適です。

対してゴルフTDIはがっちりしていた昔のVWの車とは違い、良くも悪くも国産車に近い乗り味です。
あらゆる操作に対してかろやかで、輸入車に乗っているのを忘れるくらい国産車ライクです。
ただし、荒れた路面にさしかかるとボディ剛性が国産車より高いことに気付かされます。

ゴルフ(7.5世代)は静かさで定評があるだけにディーゼルエンジンであっても問題を感じません。
ただ標準装着タイヤのブリヂストンのトランザによるものと思われますが、ややゴツゴツ感はあります。
それでも街乗りから高速道路と路面を選ばずV40よりも上質で快適な乗り心地です。

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ワインディングロードの印象

ディーゼルエンジン搭載というと重いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、V40D4もゴルフTDIもブレーキングを必要としないワインディングロードでは軽快に流す走りができます。
どちらもいろんな点で剛性が高く、コーナー進入時やブレーキングで安心感があります。
Rのきついコースになると鼻先に重たいエンジンを搭載しているためステアリング操作の遅れを感じますが、これは仕方のないことですね。
ちなみにダウンヒルではACCをセットして上限速度を設定しておくと必要以上に加速することが抑えられるので安楽なドライブが楽しめます。

トラクションを感じながら立ち上がり加速が面白いV40D4、たんたんと安定指向に徹したゴルフTDIと、スポーツ走行において性格があきらかに違いました。
ワインディングロード

ディーゼルエンジンの加速

V40D4の真骨頂は分厚いトルクを活かした加速です。
運転モードがノーマルだと若干レスポンスに遅れがありますが、ひとたびアクセルを踏み込むと身体にGを感じながら強烈な加速が始まります!
どんな勾配だろうと無関係に速度が伸びていき、ディーゼルエンジンの楽しさを存分に体感できます。
どう考えてもV40にこのパフォーマンスはオーバースペックといっていいでしょう。
その豪快な加速は普段、トヨタのハイブリッド車に乗っている私にしてみればアトラクションのようなもので、高速道路や登坂車線での追い越しが楽しくて仕方がありませんでした。

対するゴルフTDIもガソリンエンジンとは別格の加速を味わえますが、V40D4を知ってしまうと物足りなさを感じてしまいます。
良くも悪くもガソリンエンジンライクでディーゼルのトルクフルな走りを期待するとちょっと拍子抜けするかもしれません。

というか、V40D4が2.0Lディーゼルエンジンを搭載する他のライバル(メルセデスベンツやBMW)と比べても、別格のパフォーマンスといっていいでしょう。

V40D4とゴルフTDI 燃費を比較

ゴルフに試乗

基本的に一般道を主体にした長距離ドライブに特化した使い方をしていますが、燃費に関してはどちらも優秀です。

動力性能で大きな差があるにもかかわらず燃費で大きな差が感じられません。

V40D4でカタログ値の8~9割は簡単に達成でき、高速道路では巡航速度を上げるとさらに燃費が伸びてくれます。(80km/hより100km/hの方がアップ)

20km/Lも何度かマークしています。

対するゴルフTDIもカタログ値に匹敵する燃費をたたき出してくれます。
VWゴルフTDIの燃費

どちらも燃費を気にせず走行している中での結果なので、低燃費というクリーンディーゼルのメリットをしっかり享受できます。
しいていえばゴルフTDIの方が若干燃費が優れていますが、V40D4の加速の楽しさを考えると一概に優劣つけがたいですね。
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ディーゼルエンジン対決!ボルボ V40 D4とVW ゴルフ TDIを比較してみました まとめ

V40とゴルフ
ボルボV40D4とVWゴルフTDIのディーゼルエンジンについて比較してきましたがいかがだったでしょうか?

それぞれの長所を一言で表すと、パワフルな走りができるV40D4に対してガソリンエンジンのように扱いやすいゴルフTDIとなります。
ガソリンエンジンの国産車から乗り換えるならゴルフTDIの方が違和感が少ないかもしれません。

燃費はどちらも優れていて、軽油の安さからハイブリッド以上のコストパフォーマンスを見せてくれます。

運転して楽しいのはどちらか?といえば、やはりV40D4になります。
ボルボV40のエクステリア

ゴルフTDIは普段使いも含めてトータルでバランスがとれた車なのですが、ちょっとディーゼルエンジンの車として薄味です。(これはマツダの1.8Lディーゼルエンジンにも感じています)
せっかくディーゼルエンジンを選ぶ以上、その楽しさをもっと感じたいものです。
もっとも私の評価は快適さよりも走行性能に偏っているところがありますので、人によってはゴルフの方が好みという意見もあるでしょうね。

どちらも輸入車入門としては申し分ありません。
あなたも機会があれば、ぜひ乗り比べてみてくださいね。

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