テスラ | モデル3 | 大幅な値下げでも手放しで喜べない理由とは?

テスラモデル3の外観

2021年2月にテスラはモデル3の価格見直しで大幅値下げに踏み切りました。
しかし個人的にこの値下げと引き換えに新たな問題を抱えることにならないかと心配しています。
元リーフ乗りの立場でテスラモデル3の気になる情報をまとめてみました。

テスラ「モデル3」の大幅値下げの理由とは?

テスラモーターズジャパンは、2021年2月17日にテスラ「モデル3」の価格改定を発表しました。

スタンダードレンジ プラス(448km)
改定前:5,110,000 円
改定後:4,290,000円

ロングレンジ(580km)
改定前:6,552,000円
改定後:4,990,000円

パフォーマンス(567km)
改定前:7,173,000円
改定後:7,173,000円

モデル3の中でエントリーグレードのスタンダードレンジプラスでもカタログ値で448kmの航続距離があります。
これなら実際の使用でも300km以上は問題なく走れるため、十分実用的といえるでしょう。
ちなみにロングレンジとパフォーマンスはデュアルモーターによる4WDです。

この長い航続距離や広い車内、先進的な造りが受けて欧州でも電気自動車でベストセラーとなり、あっさり各国で販売台数1位を獲得しています。
テスラモデル3のインパネ
今回の価格改定によりそのスタンダードレンジプラスで約80万円、ロングレンジに至っては、なんと150万円もの値下げです!

62kWhのバッテリーを搭載し458kmの航続距離をもつ日産リーフe+は472万円~ですから、車格や内装など考えるとモデル3の方がはるかにコストパフォーマンスが高いといえます。
eシェアモビのリーフ
最近発売されたホンダeやマツダMX-30 EVはカタログ値で280kmにもかかわらずスタンダードレンジプラスより高価なため、もはやお話になりません。

MX-30 EVのエクステリア

MX-30 | EV | 元リーフ乗りの立場で試乗して評価してみました

2021年2月8日
「電気自動車が欲しければ黙ってモデル3を買え」と言わんばかりの強烈なインパクトです。

この大幅な値下げを可能にしたのが、日本向けの生産工場を北米から上海に変更したことです。
仕入れる工場を変更したことで流通コストが抑えられますが、さすがにそれだけでは説明がつきません。


一番の理由は上海工場で生産されているモデル3に搭載されるバッテリーが変更されていることにあります。

具体的にはノートパソコンでおなじみの円筒形のリチウムイオン電池からリン酸鉄リチウムイオン電池に変わりました。

このリン酸鉄リチウムイオン電池は、従来の電池に比べて安定性や耐久性に優れているばかりか製造コストが安いのです。(従来比で約30%減)
このため、中国ではリン酸鉄リチウムイオン電池が急ピッチで広まり中国で電気自動車の普及に大きく貢献しています。

電気自動車は販売価格の半分以上がバッテリーのコストで占められているので、そのバッテリーのコスト削減により今回の価格改定が実現しました。

ちなみにモデル3は2021年モデルから価格改定だけでなく、ちょっぴり仕様変更もおこなわれています。

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テスラ「モデル3」の新しいバッテリーの評判がヤバい?


引用:https://cleantechnica.com/

テスラに使用する従来型バッテリーはパナソニックやLGが生産していましたが、このリン酸鉄リチウムイオン電池はCATLという中国の大手電池メーカーが生産を担っています。
このCATLのリン酸鉄リチウムイオン電池は、モデル3だけでなく他の自動車メーカーでも採用されています。

ところが!
2020~2021年に初めての冬を迎えた中国のモデル3オーナーは、そのバッテリーの能力に衝撃を受けることになりました。

一晩駐車していたら航続距離が70kmも減ったとか、フル充電で航続可能距離420 kmと表示されていたのに、約200km走るとバッテリー残量が5%になっていた、はたまた満充電できないなどなど、多くの問題が報告されています。
充電環境は人それぞれで使用に差し支えないオーナーさんも大勢いるでしょうけど、移動距離の多いオーナーにとっては死活問題です。

私も含め初代リーフのオーナーさんは冬に航続距離が激減するという試練を味わいましたが、CATLのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用したモデル3オーナーもまさに同じ思いを味わっているのでした。
このためディーラーに押しかけて従来型バッテリーを搭載したモデル3に交換を迫るオーナーが相次いでいるそうですね。
モデル3のボンネット
考えられる原因として新型バッテリーが短期間で開発されたうえに、中国で現地テストがほとんどおこなわれていないなど市場投入にあたって検証不足が挙げられます。

この新しいバッテリーの開発期間はわずか1年足らず、しかも中国にはテスラのテストチームは存在しないと元社員が証言しています。

販売台数が日本の比ではない中国において、この問題を放置するとテスラにとって大きなマイナスイメージにつながりかねません。
すでに欧州のドイツでも、この問題を指摘するモデル3オーナーが出てきました。

しかし、日産もリーフのバッテリー問題については黙殺していたように、テスラも公式に問題として対応することはしないのではないでしょうか?

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テスラ モデル3 大幅な値下げでも手放しで喜べない理由とは?まとめ

テスラモデル3のサイドビュー
今回はテスラのモデル3の値下げの理由と気になるニュースをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

東京都を筆頭に自治体でも電気自動車の購入において補助金が充実していることもあり、今回の大幅値下げでモデル3が気になった人もいることでしょう。

モデルSも含め今までのテスラ車は、初代リーフのようなバッテリーの劣化や温度変化で使い勝手に大きな問題は出てきませんでした。
初代リーフオーナーからすれば羨ましい存在でしたね。

今回、モデル3が新型バッテリーに切り替えたことで温度変化に大きく左右されることが明白となりました。こうなると初期の2代目リーフのように夏も心配になってきます。
いくらリン酸鉄リチウムイオン電池が安価で化学的に安定しているとはいっても、温度の影響を受けやすいなら電気自動車のユーザーにとってNoですね。

しかしユーザーに対する今までのテスラの対応や全く情報を出さない姿勢を考えると、この件に関して救済措置が取られるとは思えないのです。
いまだにバッテリー容量など仕様については非公開をつらぬいています。

また、テスラは自動車メディアとも全く接点を持たないため、ほとんど記事に取り上げられません。
自動車メディア以外では「リーフよりもお得だ」と紹介するメディアも出てくるでしょうけど、ちょっと無責任な気もします。

値下げによりいくらお得に買えるといっても温度変化に弱いバッテリーを搭載していることがわかっていては、現時点ではとても人にはおすすめできません。

テスラも、もう少しユーザーに歩み寄る姿勢を見せてほしいですね。

ちなみに値段の高い従来タイプのバッテリーを搭載しているモデル3なら実績がある分、安心です。
ロングレンジで0-100km/hが4.4秒!ポルシェやBMWのMシリーズ並みの加速性能を持ちながら室内は広くて快適に移動できるこの車の魅力は変わりません。

2021.3.12 早くもアップデートがおこなわれていました!
CATLバッテリー搭載車で充電速度が大幅にアップしてます。今回は仕事が早い!?

テスラモデル3の外観

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2020年9月3日
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