Honda eが早くも苦戦!日本メーカーの電動車は想像以上に売れていなかった!

2020年秋に発売された電気自動車のHonda eは厳しい環境規制に対応するために誕生しました。
しかし、早くもHonda eは苦戦を強いられています。
今回はHonda eの状況と高い環境性能をもとめられる欧州市場についてまとめています。

Honda eの売れ行きとバッテリー問題

引用:https://www.netcarshow.com/

2020年秋にホンダからHonda e、マツダからMX-30 EVが発売されました。

どちらも初めての量産電気自動車でしたが、自動車メディアはこの2台の走行性能を絶賛しています。

電気自動車になると同じ条件なら車づくりのレベルが露骨に問われます。
HONDA eもMX-30 EVもクルマの完成度は高く技術力の高さを証明しました。

ただ、どちらも日本で本気に販売台数を稼ぐつもりはなく、ホンダやマツダのディーラーでもやる気のなさがうかがえました(笑)

皆さんもご存知のとおり、この2台は欧州や北米の企業別平均燃費規制や二酸化炭素排出量規制に対応するために開発されたもので海外市場が主戦場となります。

しかし!
日本に先行して2020年春から欧州市場へ投入されたHonda eの売れ行きは、非常に厳しい状況となっています。
2020年の4~9月での販売台数は1,571台!これ半年の数字ですよ!?
ちなみに日産リーフが1万2,117台、同じグループのルノーが販売しているゾエが4万2,912台と桁違いの差があります。

引用:https://www.netcarshow.com/

ゾエはHonda eと同じコンパクトクラスなので完敗といっていいでしょう。

もちろん欧州においてルノーはトップセラーなのに対してホンダは知名度が低く(シェア1%)、ただでさえ不利な立場でのスタートでした。
それでもHonda eは各国でデザインが高く評価され、ドイツで2021カーオブザイヤーを受賞(日本車では初めての快挙)するなど、完成度の高さは評価されています。

現在、欧州各国では電気自動車の購入補助金フィーバーの状況で、テスラのモデル3やVWのiD.3、プジョーの208EVは、その波に乗って売れまくっている中でHonda eは低迷しています。

やはり、一番の理由は実質200km以下の短い航続距離でしょう。
電気自動車で重要な性能である航続距離がライバルより劣っていては、よほどの魅力がないとあえてHonda eを選ぶ理由がありません。
ホンダも十分承知の上ですが、航続距離を延ばすにはバッテリー搭載量を増やすしかなくコストアップや調達面で難しいのが現実です。

ですが後発にもかかわらず商品に差別化要素がなければ売れないのは当然ですね。

引用:https://www.honda.co.jp/honda-e/

そして追い打ちをかけたのがバッテリーの供給トラブルです。
トヨタのRAV4 PHVでも問題になっていますが、バッテリー生産(パナソニック)の歩留まりが悪く計画通り供給出来ていないため生産に支障があると報じられています。

ライバルに比べて販売やバッテリー生産で遅れが見立ちます。

プラットフォームを一から開発するなど、気合の入ったHonda eでしたが、残念ながら二酸化炭素排出量規制をクリアすることに貢献できず、2021年も排出量枠をテスラから買い取ることは確実視されています。

電気自動車の生産は一定レベルの技術も必要ですが、最大のポイントはバッテリーをいかに安価に安定して確保できるかにかかっています。
その点をきっちり抑えているテスラは、モデル3が世界中で売れて排出量枠ビジネスでもウハウハの勝ち組状態が続いています。

ホンダは本来ならもっと存在感をアピールしなければならないところでF1から撤退を決断しました。
撤回して参戦継続してほしいところです。

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欧州の車種別販売台数をみて危機感を覚えずにはいられません!

欧州では電気自動車やプラグインハイブリッド車の販売割合がハイピッチで増えており、プラグインハイブリッドはすでに新車販売台数の10%を占めています。
10台に1台はプラグインハイブリッド車ということで、日本とは比べ物にならないくらいペースで普及が進んでいます。

その激戦区の欧州市場で電気自動車やプラグインハイブリッド車の売れ行きをチェックしてみました。

■ 2021年 1月
1 ボルボ XC40 PHEV (3,543)
2 ルノー ゾエ (3,520)
3 キア Niro EV (3,123)
4 BMW 330e (3,058)
5 VW iD.3 (2,978)
6 プジョー 208 EV (2,807)
7 プジョー 3008 PHEV (2,680)
8 アウディ e-Tron (2,621)
9 メルセデスベンツ GLC300e/de (2,551)
10 現代 Kona EV (2,507)
11 BMW X1 PHEV (2,428)
12 メルセデスベンツ GLE350e/de (2,393)
13 ボルボ XC60 PHEV (2,341)
14 BMW X3 PHEV (2,288)
15 フォード Kuga PHEV (2,263)
16 BMW X5 PHEV (2,156)
17 ルノー キャプチャー PHEV (2,129)
18 プジョー 2008 EV (1,978)
19 Smart Fortwo EV (1,941)
20 オペル コルサ(1,935)

■ 2020年 12月
1 VW iD.3 (28,108)
2 テスラ Model 3 (24,664)
3 ルノー ゾエ (16,322)
4 現代 Kona EV (11,340)
5 ルノー キャプチャー PHEV (6,135)
6 メルセデスベンツ A250e (5,507)
7 日産 リーフ (5,424)
8 アウディ e-Tron (5,296)
9 メルセデスベンツ GLC300e/de (5,214)
10 フィアット 500e (4,999)
11 VW iD.4 (4,714)
12 ジャガー i-Peace (4,635)
13 セアト レオンPHEV (4,353)
14 VW ゴルフPHEV (4,245)
15 メルセデスベンツ E300e/de (4,061)
16 ボルボ XC40 PHEV (3543)
17 VW パサート GTE (3,828)
18 BMW X1 PHEV (3,788)
19 VW e-Up! (3,751)
20 BMW 330e (3,727)

2021年1月のデータでは、テスラ車が含まれていませんが2021年2月にはモデル3だけでも5000台以上を販売しています。
ボルボのXC40はドイツを除く欧州各国でもベストセラーとなりつつあります。

高級車ブランドのメルセデスベンツやBMW、アウディがランクインされていますが、これはドイツ国内需要の強さによるものです。
ドイツでは会社が社員向けに車を購入するカンパニーカーという制度があり、これが国の支援もあって急速に電動車に置き換わっています。

まあ、それはいいとして気になるのが2021年に入ってからベスト20に日本車が1台も入っていないという点です!!
量産電気自動車のパイオニアの日産リーフや世界で最も売れていたプラグインハイブリッドの三菱アウトランダーPHEVは影も形もありません。
アウトランダーはモデル末期ということもありますが、リーフも一気に蹴落とされてしまいました。

確かにプリウスに代表されるストロングハイブリッド車を含めれば、ヤリスやカローラも上位に入ってきますが、電気自動車やプラグインハイブリッド車のランキングに日本車が含まれていないのは問題です。

すでにマツダやスバルは完全にトヨタ頼みになってしまい、ホンダは英国工場を閉鎖するなど欧州市場をあきらめているような雰囲気です。

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Honda eが早くも苦戦!日本メーカーの電動車は想像以上に売れていなかった! まとめ

引用:https://www.netcarshow.com/

Honda eの販売状況や欧州の電動化車両の売れ行きについていろいろ見てきましたが、いかがだったでしょうか?

Honda eやMX-30 EVは残念ながらVWのiD3のようにスタートダッシュを決めることが出来ませんでした。
さらに今後もバッテリー調達で苦戦が続きそうですね~

日本で電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及が進まないのは、世界で最もハイブリッドが普及していることや先進国の中でも飛びぬけて集合住宅の割合が多いからだと思います。

そのような国内事情で電気自動車が普及しないのは仕方ないとしても、収益の大部分を占める海外市場で電動車両の存在感を示さなけれ、これから台頭してくる中国メーカーの価格戦略に一気にやられてしまうのがオチです。
電気自動車が導入できないユーザーを当面はハイブリッド車で補えるかもしれませんが、全個体電離などバッテリーが大きく進化するまでのつなぎでしかありません。

VWは大規模な設備投資で欧州各地にバッテリー工場を建設し、LGなど外部調達からバッテリー内製化へと動き出しました。
量産効果による調達コスト低減と安定供給の問題を一気に解決しようという目論見です。

トヨタ一強状態のハイブリッド車の普及は欧州メーカーにとって何としても阻止したいところ。
バッテリー政策で、じわじわと日本車の締め出しにかかっている気がしてなりません。

う~む、トヨタは何か逆転する術(すべ)を持っているのでしょうか?

日産のARIAやトヨタ&スバル共同開発による電気自動車の新型SUVの登場が待たれます。

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2021年3月20日

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